小さな天然石で環境を守ります
黒曜石などのガラス質天然石を約1000℃の高温で焼くと熱膨張し球形の白くて軽石のような骨材に変化します。軽石というよりも食べ物のようなこれらの粒が パーライト と呼ばれる物質です。多孔質で軽量な独立気泡を形成するこの無機質な素材は多様なユーティリティを秘めており、目に見えない所で私たちの生活環境を支えています。
1.建築資材としてのパーライト
私たちの生活基盤となるのは「住居」です。四季に恵まれた温暖湿潤気候に属し、それと引き換えに地震や台風などの災害に直面することが少なくない国土においては、住居は快適性と安全性を両立するものでなければなりません。この難題を解決する方法としてパーライトの活用はとても有効的です。
SIO2（シリカ）を主成分とするパーライトはコンクリートやモルタルとの親和性が高く、それらへ適度に配合することで質量を軽減することができます。素材が軽量化されるメリットは構造物の耐荷重軽減のみならず全ての作業工程を円滑にすることと同義であり、幅広く安全性を担保するものとなります。
さらに独立気泡構造を持つパーライトは熱や音を吸収し遮断するユニークな特性も併せ持っています。パーライトを壁内や床下に均一に詰めることにより断熱効果、防音効果、防湿効果などをより強固にすることが可能であり、素材の軽量化を達成することと快適な住空間を設計することを両立します。
軽量かつ指でつぶれるほど柔らかいパーライトは仕上げ補修モルタルとしてハンドリングも極めて容易で、薄塗りから厚塗りまで自由自在な調整ができます。建設現場での安全性を高めながら作業効率もアップし、まさに一石二鳥以上の効果を発揮する建築資材界のキラーコンテンツです。
2.土壌改良材としてのパーライト
パーライトの原石は黒曜石と真珠岩の二種類に大別されます。それぞれ軽量かつ土壌の物理性改善効果に優れた特性を持ちながらも、黒曜石パーライトは独立気泡の構造により透水性に優れ、一方で真珠岩パーライトは連続気泡の構造により保水性に優れるという相反する特性を生成します。さらに当社のパーライトは土壌改良材としての有効性を認められ有機JAS・地力増進法認定資材の称号を授かっています。
透水性に優れる黒曜石パーライトは排水層の形成素材として国道緑化などの植栽工事に活躍しています。ヒートアイランド現象の緩和策として緑化事業が推進されてきましたが、その土中では人知れずパーライトが活用されているのです。環境問題がクローズアップされる中で今後さらなる需要拡大が見込まれています。
透水性と通気性を高め水はけを良好にするパーライトはゴルフ場などの広大な芝の生育を守るためにも不可欠です。温暖化の影響で高温になりすぎて成長不良が危ぶまれる一面の緑地帯をパーライトの力で改善します。真夏の猛暑にさらされる過酷な状況でも美しい緑色をキープすることができます。
透水性と保水性をうまく使い分けることで個々の植物に最適な土壌環境を構築することができます。必要な養分を根の周辺に滞留させて健全な野菜や花卉などの収穫量をあげることもパーライトの有効的な活用方法です。前述の通り当社のパーライトは有機JAS・地力増進法認定資材の称号を誇る環境緑化製品なのです。
3.製鉄除滓材としてのパーライト
自然環境や住環境の整備以外にもパーライトの新たな活用法として金属精製時のスラグ除去機能が注目されてきました。当社でも国内の製鉄産業の発展に貢献すべく自社鉱山の国内産（大分県安心院産）黒曜石をベースとした「AJリムーブ」という除滓材を開発することに成功しています。
高温で加熱されると発砲して多孔質で軽量な独立気泡を形成する黒曜石の性質は製鉄作業の精度を高めるものであると共に、AJリムーブは従来の軽石やワラ灰などの除滓材よりも確実にスラグなどの不純物を絡みつかせて純度の高い鉄を取り出すことを可能とします。
さらにAJリムーブは不純物を取り込むだけではなく油面からの放熱温度を下げて粉塵の飛散を防止する不測の事故を抑制する効果も併せ持っています。これは安全でリスクの少ない作業を達実現することを意味し、今後は危険な作業に従事する人員の命と健康を守るためにもAJリムーブの活用は必須となるでしょう。
当社は西日本最大のパーライト製造メーカーとして、土壌改良・建築資材の提供など多方面にわたる環境整備事業に貢献してきました。国内産とインドネシア産の二種類の原石を使い分けながら、自社工場にて粉砕▶︎焼成▶︎選別▶︎袋詰めまで一貫製造可能なシステムを構築しています。パーライトのことならどんなことでもお気軽にご相談ください。
info@ajimu-perlite.co.jp